1407号室においで
「おはようみなのしゅー!!!」
「あ、母さんはよー」
「はよっす」
「「おはよー」」
慌ただしく自室から母さんが出てきた。
「じゃあなみなのしゅー!!!!」
俺ら一人ひとりを高速で見てからそう言うと、嵐のように去っていった。
「‥‥‥‥母さんはすげぇな」
俺がそうもらすと、
「いつもあんなもんだろ??母さんは」
「いつも通りで何よりだね」
「母さんはああでなきゃね」
仕事人間の母さんに慣れているせいか、朝のこんな光景なんか珍しくない。
逆に、ノロノロと着替えもせずに起きてきて、もしょもしょと朝食を貪っていたら、「こいつ誰だ!!?」ってなる。
「いや、なんかさ。普通の光景が幸せでさ‥‥‥」
「‥‥朔夜」
「食った。ごちそうさま。‥‥‥もう行くから。行ってきます」
今日からまた面倒でウザい毎日が始まるのかとか思うと気が重くなる。
俺は乱暴に通学バッグを掴んで、母さんが既に出て行ったドアを開けた。
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