1407号室においで
「ねぇねぇ、朔夜。今日のお弁当は俺が作ったんだよ☆」
「何言ってんだよ凪。俺も炊き込み飯作ったろうが。朔夜、俺が作った炊き込み飯ちゃんと食うんだぞ??」
「‥‥‥‥朝からうっせぇんだよシスコンツインズが。ちなみに何の炊き込み飯だ」
「「山菜とタケノコ」」
「神ツインズにしてやろう」
タケノコは好きだ。やはり我がシスコン兄。妹の好物を良く理解していらっしゃる。
ただ、な。
ただでさえ狭い、このエレベーターで、両脇からぎゅうぎゅう圧迫されるのは、実に不本意かつ不愉快だ。いつも以上の圧迫感に、いい加減辟易する。
「てめーら暑い。邪魔。」
えー??と、不満そうな兄達を押し退けながら、ようやく開いたエレベーターから出る。迷惑な兄らだ。
夏だし外の方が暑いはずだったのに、逆に爽やかに感じるとはどういうことだ。
思わず、一つため息をついた。
―――ため息一つで兄が大急ぎで心配し始め、俺の周りだけまた気温が上がった。