カンボジアのコト

負の遺産。
カンボジアの歴史の中で、1番分かりやすいのは、地雷だろうか。
人の心の中にも、あると思う。
私の思う、負の遺産の1つに出会った。
母親が一方的に愚痴を言い出した。
ハーマンに、
「何を言ってるの?」
と、聞くと、
「いえ、愚痴ですから、通訳するほどのことでもありません。」
「通訳して。」
「いえ、お気になさらず。」
「知りたいの。」
ハーマンはしぶしぶ通訳しはじめた。
エンドーの良い所は、全部通訳してしまう所
ハーマンの良い所は、悪いことは伝えない所
「支援を打ち切られたら、私達は死ぬしかない。私は土地も持っていない、牛も持っていない。助けようとするなら、どうして土地をくれないの?どうして牛をくれないの?」
今、この母親は、土地を借りたり、牛を借りたりして、農業で生計をたてている。
本当は、そこから努力して、自分の力で牛を買う、土地を買う。
でも、その思いは、お国柄なのだと今更ながら思った。
どう表現して良いのか分からないけれど、解決してもらう癖があるように思う。
助けられ慣れているとでも表現したら良いのだろうか。
井戸を作らなくても、どっかの団体が手を出して井戸を作ってくれる。
でも、私の居る団体は、そんなことはしない。
作る過程が大切なのだ。
彼女にも、それを気づいてほしい。 
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