カンボジアのコト

沖縄旅行

大学1年の冬・・・これが、今からお話する全ての始まりだったのかもしれない。
先生の都合で、授業が1つ休みになってしまった。次の授業まで1時間以上あるので、私・・・高橋エリカ(たかはしえりか)は、同じ学部では仲良しの、竹本和音(たけもとかずね)と、小さな空き教室に座って話しをしていた。

なんだか、回りくどい言い方をしてしまったが、和音こと、カズとは、友達。同じ授業を選択していれば、いつも隣同士に座っていた。けれど、どの授業を選択するかと相談したこともないし、学校以外で一緒に遊んだことも無かった。お互いに、別の世界を持っていた。

私達は、黒板に近い出入り口付近の席に座って、とりとめない話しをしていた。
この教室には、他に、同じ学部の女の子が4人居た。
松田沙羅(まつださら)、河本佐優里(かわもとさゆり)は、カズと住んでる所が近いらしい。何か他にも聞いた気がするが、思い出せない。とりあえず、カズの繋がり。その沙羅ちゃんと、佐優里こと、さっちゃんと、もう1人、戸川弥生(とがわやよい)・・・弥生ちゃんは、いつも3人一緒だった。3人は、教室の真ん中より、後ろよりに座って、3人で1つの何かの雑誌を見ていた。
それから、茂原夏美(しげはらなつみ)こと、なっちゃんが、窓際で、窓の外を眺めながら電話をしていた。なっちゃんは、日頃誰と一緒に居るか・・・と考えても、沙羅ちゃん達3人と一緒にいるような気もするし、他の人とも一緒にいるような気もするし・・・という感じだった。もちろん、この4人も友達。あだ名で呼ぶけれど、携帯番号は知らなかった。
なっちゃんが、電話を終えて3人に「何を見てるの?」と近づいていく声が聞こえた。それから私は、カズとの話しに夢中になって、なっちゃんに呼ばれるまで気がつかなかった。
「カズちゃん、エリちゃん、沖縄行かない?」
「え?」
カズと私は思わず聞き返した。
言葉の意味がよく飲み込めない。
「だから、6人で沖縄行かない?」
こうして、大学1年の春休み、私たちは沖縄に行った。

こうして、私たちは、いつでも6人一緒というほど急速に仲良くなったかというと、そうでもない。誕生日会をしたり、クリスマス会をしたりと、時々遊ぶようになった。



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