妻と愛人、どちらをとるべきか?
妻と離婚せずに、彼女とも別れず、二つの家庭を行ったり来たりの二重生活を送る……うん、悪くない。
しかし、男の身勝手な考えだ、ともすぐに思う。
アラブの王族でない身を怨むべくもなく、そんなワガママが日本でまかり通るはずもない。
世の中そんなに甘くはないのだ。
特に、子どもたちがもう少し育てば、今更ながら教育上よろしくない。
そう、子どもたち。
この状況は、父としてはどうだろうか?
子どもが3人できて、初めて気づいたのは、子どもへの愛情というのは『増える』のだ。
親の愛情を3人で3等分するのではなく、1人1人に100%の親の愛情が向けられる。
もちろん分け隔てもない。
だから3人いれば親の愛情は300%にもなる。
子どもが生まれる前は0%だったのだから、子どもたちには心から感謝をしたい。
生まれてきてくれてありがとう、と。
息子と娘の差は、実際にはないに等しい。
父親は娘の方がかわいいという通説は、娘を嫁にやりたくないという表面的に分りやすい事柄からで、どちらもかわいいに変わりはない。
こういった『娘を嫁にやりたくない』感情と、『息子と酒を酌み交わしたい』感情は、表面上は異なるようで根っこは同じだ。
息子の『俺は親父のようにはならないぜ』病と、娘の『お父さんと洗濯物は別にして』病が発病した際に、どちらの方がより腹立つのかは近い将来の楽しみでもある。