私の中の子供達
こうして楽しい時を過ごした俺達は、料理に舌鼓を打ちつつすっかりとただの酔っ払いとなった。


嫌、酔っ払いは俺1人かもしれない。何せピノ子は飲ませ上手で、後半は俺ばかり飲んでいた気がする。


理性は残っていると信じているが、なかなかの酔っ払いである事に違いない。


「さて~、そろそろ行くかあ?」


「はーい、そうですねぇ~」


頬をぽうっと桜色に染め、いつもに増して上機嫌のピノ子。


2人にしてはなかなかの金額を払い店を出る。



外は雪がやみ、風1つなく凛と冷え切り、今までの温もりを奪い去るかの様だった。


「さむっ!ここ、私の家からも近いんですけど全然知りませんでしたあ」


「そうかい?気に入ってもらえたみたいで良かったよ」


「はい、すごく。じゃあ、とってもご馳走さまでしたー」



ぺこりと軽く頭を下げるピノ子。



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