私の中の子供達
この日以来、というか学生時代から二日酔いになる度に「もう酒はしばらく控える」事を誓う俺だったが、実際に控えた試しがない。


いや、特に近頃の場合は控える手はないのだ。


あの日以来、酒を酌み交わす楽しみを覚えた俺達は、互いの休みの前日には必ずと言っていいほど、飲むようになっていた。


そしてまたそんな日は必ず、酔っ払ったピノ子が「帰るのが面倒くさいから」という理由で、俺の家に泊まっていくようになったのだ。



特にそれを咎める理由も見当たらず、相変わらずの「まあいいか」を続けるうちに、ピノ子が家に泊まる回数が増え、荷物が少しずつ持ち込まれ、気が付くといつの間にか居候、もしくは同棲状態になっていた。


そんな状態になっていても正直、うっとおしいとか思う事は全然なくて、むしろ温かくも心地良い空間がそこにはあった訳で。


< 105 / 134 >

この作品をシェア

pagetop