私の中の子供達
家に着き、いつもの様にドアを開けて居間へ入ると、台所から美味しいな匂いと共に「おかえりなさい」が聞こえてきた。


このやり取りが日常になりつつあっても、やはり感慨深いものがある。


「丁度いいタイミングです。もう出来上がりますから手を洗って待っててください~」

「了解~」


手洗いうがいを済ませ、スーツからくつろぎ家スタイルの、上下スエットに変身して食卓へ向かう。


「うわお、豪勢だね」

いつもより手の凝った料理が、テーブルに所狭しと並べられている。


「へへ、頑張っちゃいました」


エッヘン、と胸を張るピノ子。


「素晴らしい、約束のものを遣わそう」


頼まれていたお酒を差し出す俺。


「やったあ、開けたい開けたい」


そう言いながら緑色のエプロンを外してイスに掛け、紙袋の中身を確認するピノ子。


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