私の中の子供達
「さてと、とっておき蔵出しニューフェイスの御開帳が済んだ所で、俺はお便所にでも行って来るとしよう」

「なんですか、その単語は。昭和なエロスを感じる」

「昭和の男だからいいのだ」


顔に“えー?”を貼り付けたピノ子を横目に、席を立つ俺。


とりあえず喜んでもらえて良かったなぁと、ホッとしながらトイレのドアを開けて便器に座る。


ん?


袋ごと隅っこに置かれていたトイレットペーパーが、いつの間にか竹で編んだ四角いカゴに収納されているではないか。


我が家のトイレもいつの間にやら、ピノ子色に染められてしまった。


快適さと妙なむずがゆさを感じる俺だった。



ピンポーン



不意に呼び鈴が鳴った。

こんな時間に誰だ?

< 118 / 134 >

この作品をシェア

pagetop