私の中の子供達
すぐさまズボンを上げ、水を流し手を洗う。


「はいはーい」


パタパタと小走りする音と共に、陽気なピノ子の声がする。


む。俺が出ようと思っていたのだが…。

ピノ子が出ても、特に困る事は無いのだが、あの酔っ払いっぷり。

失態をおかさなければいいが。


そう思い、トイレのドアノブに手をかけた時だった。



「え、ぇええー!」
「ほぇっ」


世にもバカっぽい叫び声と、間の抜けた声が聞こえてきた。


それを聞いた瞬間、おそらく俺の顔はものすごくうんざりしていたに違いない。


…失態どうこう以前に、予想外の事が起きてしまったのだ。


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