私の中の子供達
「ちょっ、なんでなんで~!」

「んん?どちらさまですかね~」


トイレのドアを開け玄関に向かうと、俺の残念な予想は確信へと変わる。


そして玄関の2人は、ほぼ同時に俺を見た。


「平井すゎん!」
「ブンちゃん!」


何らかを懇願する2人の表情。一瞬の静寂の後、奴がそれを破った。


「…ブンちゃん!?ちょっ、平井さんてまーもーいつの間にっつか、説明ってかマジ超なんで??」


「…なんとまあグズグズな日本語だ。…近所迷惑だからとりあえず上がれよ…島田」


全くもって面倒極まりないタイミングでの島田の登場に、げんなりしつつも、事態の収束を図らんと、俺は奴を家に上げる事にしたのだった。


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