私の中の子供達
「へぇえ~。で、ピノちゃんとは一切そういった関係は、何も無いと仰る訳ですか~」


呆けから一転、猜疑心をだだ漏れに、年甲斐もない膨れっ面に腕組み姿をさらす島田だった。


それにしても野郎の膨れっ面とは、どうしてこんなにも気色が悪いのだろうか。


「だから無いっての」

「ナイですよ~」


俺の後に、ピノ子本人の否定が入った。

が、いかんせんフニャフニャな為、説得力に欠けている。


「ほーん、じゃ、そういう事にしときましょ。で、ピノちゃんの本名は?」


初対面30分足らずの相手をピノちゃん呼ばわりする上に、そこを質問するとは、やはりコイツのデリカシーの無さは並々ならぬ物がある。


嫌、何も考えていないだけという方が正しいかもしれないが。


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