私の中の子供達
「ぬぬ、秘密です。好きでもない人に本名さらすなんて恥ずかしいでしょ?」


島田に向かって、手をパーにするピノ子。


「ピノちゃん…変わってるのね。いやでも、源氏名使うのは恥ずかしくない訳?」

「源氏名じゃないですっ」


今度はピノ子の口がとんがり、頬がぷうと膨れた。

酔い故の赤ら顔のせいで、余計に怒っている様に見える。


うーむ、これはなかなか愛らしい。同じ膨れっ面にしても、こうも違うものか。


「大体ピノ子って何?あれ、あの…アイスが好きだからとか?」



おお。

これもタイミングを逃して、俺が聞くに聞けなかった疑問だ。

やはりコイツのデリカシーのなさは…少々羨ましくもある。

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