私の中の子供達
「そのなりたいけどなりたくないっていう、無駄にアンビヴァレントな、青い葛藤をしている様が愛しいの」


ピノ子の丸くて大きな目が、力強く輝く。



「はぁ…?」


島田は再び手元の料理に集中し始めた。

おそらく理解する事を放棄したのだろう。


かく言う俺も、葡萄品種名の由来からここまで想像を膨らませるピノ子に、ある種の変態臭を感じずにいられない。


そしてその感覚に理解は出来ないのだが、無駄な想像を膨らませるピノ子の遊び心満載さに、少なからずグッときている。


なんて事は、心の中に閉まっておこう。

島田がこの場にいるなら尚更。


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