私の中の子供達
「そういや、前から思っていたんだけどピノ子って…」

そこまで俺が言いかけた時、ピノ子は急にガタッと席を立ち、どこかへ行ってしまった。

なんという事か!
これは無視なのであろうか!?

不当な扱いを受けながらも、自分の言動を一通り振り返ってみながら、いや、俺は何も悪くないぞ。という結論に達した時だった。


「やっぱり、重曹切れてましたー!それからガラスクリーナーもっ」


…なんだ、明日の掃除道具を確認していたのか。

ホッとしている所でもう一声。


「今ならまだサツドラ開いてるんで、買いに行ってきまーす」

「ああ…気を付けて」


鍵をかけに行こうと玄関に向かうと、ピノ子はコートを着て、マフラーを巻いていた。


「そういやブンちゃん、なんか言ってませんでした?」

「あ…いや、大した事じゃないからいいや」

「じゃ、行ってきまーす」


そしてドアはパタリと閉じらた。
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