私の中の子供達
「はぁー」

ため息をつきながらガスストーブのスイッチを押してコートをハンガーにかけて時計を外して手を洗って……飯だ。飯しかない!


昨日の夜作った唐揚げに朝炊いたご飯、漬け物、おでん。そしてビール。

テーブルに並べ、手を合わせいただきますをする。


プシッ
ンゴゴゴ


喉を気持ちよく通り抜ける炭酸と苦味と舌の上に微かに残るクリーミーな泡。


まさに至福。オッサンと言われようとも、この気持ちを表現する擬音はやはり「プハーッ」しかない。


世の中の半分の大人はこの「プハーッ」を言いたいが為に働いているに違いない。


唐揚げやおでんの大根、はんぺんを口に放り込みながらビールを飲む。あっという間に2缶が空いたが、明日は休みの俺はもう少し欲張って飲みたくなった。


うーん、買いに行くのは面倒だな…。


仕方ないので料理酒に使っている紙パックの日本酒を熱燗にした。


ジワジワ温かくなる胃袋。冬はやっぱりこれだよなぁ。


結局、缶ビール2本と熱燗2合を飲んでいた。体も温まり、いい気分で眠りについた。

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