私の中の子供達
それから体を洗い、ここでのメインイベントのサウナへ入る。


サウナは既に人が沢山いた。あまり大きくない事もあり、俺とすぐその後に入ってきた人で一杯になった。


熱い場所に沢山の人は余計に熱いが、ひるんではならない。これは意地と見栄を兼ね備えた自分との戦いなのだ。


じわじわと体に玉の汗がにじみ、鼻の先からは滴がぽたりと落ちる。


今日は皆強者揃いのようだ。俺が限界に近づいてきてもまだ誰も出ない。せめて俺の後すぐに入ってきた人には負けたくない、という訳のわからぬライバル心を纏いつつも、熱気と汗の衣がライバル心の上に覆い被さり、挫けてしまった。


今日は相手が悪かったと意味不明な言い訳と敗北感を味わいつつ、サウナを後にした。

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