私の中の子供達
「ひどいな…俺は店長に疑われていたのか。もしかすると江崎さんも俺の事怪しんでたとか?」


この返答次第によっては俺、危うし。というより普通にショックである。


その問いに彼女は間を置かずに、先ほどの笑い顔のまま即答した。


「それは無いです。最初に会った時に何も感じなかったですから。私、意外とそういうの敏感なんです。…もしそんな気があるのなら、平井さんはとっておきの狼です。」

「はは…、狼ね。俺はどっちかと言うと狸かな。」

「ですね。」


敏感なら危ない奴から逃げれるだろうに…。根拠のなさそうな自信に見えるが、それが女の勘という奴なんだろうか?


それはともかく、彼女に悪印象を抱かせていない事が分かり、ホッと胸をなで下ろした。


< 43 / 134 >

この作品をシェア

pagetop