私の中の子供達
浮き足立った早歩きで、あっという間にマンションの部屋の前に辿り着いた。


鞄から鍵をまさぐった所でふと、思った。


今日は何も買い物をして来なかったけど、もし江崎さんが食事でもしていく事態になったらどうしようか?

…ないだろうけど、もし、だ。

……冷凍庫にごはんがあった筈だ。卵と葱でチャーハンが出来る!ええとそれに中華スープでイケる!!


ありもしない「もしも話」に決着を付けた俺は鍵を回す。


カチャリ


緊張と高揚を入り乱れさせながらドアノブを掴む。


よし!行くぞ!!



ガゴッ



あれ?



< 54 / 134 >

この作品をシェア

pagetop