私の中の子供達
「灰皿、どれですか?」

「あ…これでいい?」


資源ゴミの袋から昨日飲んだビール缶を取り出し、新たな使命を与えた。


「そう言えば」


早速、江崎さんが長くなった灰を穴に落としている。


「うん?」


「店ならまだしも、これからプライベートで話するのに、さん付けって何か嫌じゃないですか?」


「そうかい?」


「好きなあだ名で読んで下さい」


「へ?」


なんて唐突な提案だ。好きなようにって言われてもなあ…


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