私の中の子供達
そして仕事の鬼(スピードだけ)と化した俺は、今日もきっちり時間内に仕事を終えて帰るのだった。


会社から一歩出ると辺りはすっかり深い闇に包まれていた。北の地では雪が積もる前の時期が一番、夜が暗いのだ。


夜道は冷え、雪は降らずとも冬を思わせるには充分な風が吹いていた。


鼻や耳、手、露出している部分から熱が奪い去られ、先端から冷たくなっていくのが分かる。


皆足早に肩をすぼめ、目的地に向かっている様に見えた。


今日は温かい物を食べよう。


そう漠然と思いながら家に向かった。


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