私の中の子供達
君の胸元には江崎と書かれたネームプレートがあった。俺はしっかりと何度も脳の記憶野に叩き込む。


君は客が人込みに紛れたのを確認するとクルリと向きを変えて、ビルの中へ入って行った。


えーと、第3クリーンビルか…。俺は思わず君を追いかけた。ビルの中に入り、入り口に書いてある店名一覧を見るふりをしながら君が1人でエレベーターを乗るのを確認した。


我ながらちょっと気恥ずかしい行動を取ってるのは分かっていたが、君が何者かを確かめずにはいられなかった。


俺の思いと君を乗せたエレベーターはグングン上昇していき6階で止まった。俺はすぐさまさっきの店名一覧で確かめる。


6F 耳かきサロン
和らぎ



ここか!?
耳かきサロン…?


俺は確認をするとすぐにビルを出て何事もなかったかの様に歩き出した。


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