私の中の子供達
「ふぃ~、食べた食べた。ごちそうさまでした」
手を合わせる俺。
ピノ子が箸を置いて言う。
「いっぱい食べる人、好きですよ」
「お、おう…」
特に何の含みもない言い方なのだが、若い娘に「好き」と言われると、どうにもドキリとしてしまう。
この状況でこの台詞だから余計に攻撃力は高いのだが、発言者がピノ子なだけに言葉以上の意味は無いと自分に言い聞かせた。
咳払いをひとつしてふと、壁掛け時計に目をやる。時計は21時を回った所だった。
「あ、もうこんな時間だけど大丈夫?」
「あら本当だ。まったりしてたらこんな時間に…」
「遅くなったら危ないから早く帰らないと…あ、寒いし車で送るよ」
俺は本棚に置いてある、小物入れカゴの中にある車の鍵を取ろうと立ち上がった。
手を合わせる俺。
ピノ子が箸を置いて言う。
「いっぱい食べる人、好きですよ」
「お、おう…」
特に何の含みもない言い方なのだが、若い娘に「好き」と言われると、どうにもドキリとしてしまう。
この状況でこの台詞だから余計に攻撃力は高いのだが、発言者がピノ子なだけに言葉以上の意味は無いと自分に言い聞かせた。
咳払いをひとつしてふと、壁掛け時計に目をやる。時計は21時を回った所だった。
「あ、もうこんな時間だけど大丈夫?」
「あら本当だ。まったりしてたらこんな時間に…」
「遅くなったら危ないから早く帰らないと…あ、寒いし車で送るよ」
俺は本棚に置いてある、小物入れカゴの中にある車の鍵を取ろうと立ち上がった。