私の中の子供達
「あ、いいです。近いから歩いて帰れますもん」

「でも…」

「だって外に出て戻って来たら、また寂しくなっちゃうでしょ?本末転倒になりますよー。ていうか子供じゃないんだから平気ですってば~」

「うーん、確かに…」

「でしょ」


そう言いながらピノ子はイスから立ち上がり、自分のと俺の食器を重ね始める。


「俺やるから置いといていいよ」

「じゃあ…とりあえずもう重ねちゃったんでこれだけ」


そう言い、ピノ子は重ねた食器をトコトコと台所に置きに行ったのだった。


< 77 / 134 >

この作品をシェア

pagetop