私の中の子供達
換気扇の回転音が聞こえる。きっと食後の一服でもしているのだろう。


ふと土鍋の中を覗くと、少し汁が残っている。


明日の朝はこの残り汁にご飯と卵を落として雑炊にしようと、固く心に決めた。


鍋とカレーとおでんは俺の中で、「三大翌日まで美味しい食べ物」である。



ピノ子は台所から戻って来るとソファーに置かれた、毛糸で編まれたフカフカのカーディガンを羽織り耳当てをする。


「じゃあ気をつけて。本当、今日はごちそうさまでした」


軽く頭を下げる俺。


「いえいえいえ、私も楽しかったですし」


手をブンブンと振り回しながら微笑むピノ子は、「お邪魔しました~」



と、元気良く帰って行ったのだった。


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