私の中の子供達
次の日の朝、携帯のアラームで目を覚まし、居間に行くとピノ子が朝食をテーブルに並べていた。


「おはよーございます。私、すっかり寝ちゃいました。」


いつものにこやかな笑顔だ…良かった。


「ああ、おはよう。よく寝ていたから起こさなかったよ…」


と、軽い嘘を言いつつ、寝起きの生理現象を隠す為にトイレに逃げ込むのだった。


ひとまず便座に座ってみたものの、


「この状態じゃあここに居てもなあ」



と、ぼんやり会社に着て行くスーツとネクタイの組合せを考えながら、機が熟すのを待つのだった。


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