私の中の子供達
その夜もまた、1日の疲労感と満足感を抱えて家路に着くのだった。


そして、玄関を開けると明るい部屋があり、その中には漫画のタワーに囲まれ、ソファーに座り込んだピノ子がいた。


その前に引き寄せられたテーブルの上には、コップに入ったジュースが置いてある。



「帰ってなかったの?」


さすがに俺は驚いた。


「昼ごろ帰ろうと思ってたんですけど、本棚を見たらつい…だってだって、『葱‐negi‐』の漫画版とか、『七色マーブル』の復刻版とかあるんですもん!」


ピノ子は漫画を手にしたまま、足をバタバタさせながら答える。



「ははは…」



脱力した笑いが漏れた。ピノ子にかかれば、うちは漫画喫茶になってしまうのだ。


「で、今日は晩飯…」

「う。作ってません」


ピノ子が小さく口を開けて、やってしまったという顔をする。


俺は慌てて否定をする。


「違う違う、そうじゃなくて!…今日は外で食べないかい?前に約束したのもあるし」


「えっ、いいんですかー?」


今度は一転、ぱあっと笑顔が弾けた。



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