私の中の子供達
「気にしなくてもいいよ、最近ずっとウマい手料理ご馳走になってたし、お返ししなきゃって思ってた所だから」


「やーやー、ブンちゃんやさしー」


思った以上に喜んでいる様だ。


「えっとえっと、本、すぐ片します!」


途端にテキパキと片付け始めるピノ子。


「そんな慌てなくてもいいよ。俺、着替えてくるし」

「はーい」



お出かけ着に替えて居間に戻ると、ピノ子は最後の一冊を本棚に戻し終えた所だった。


「終わりましたあー」


そう言いながら、コートと鞄に手を伸ばすピノ子。


「よし、じゃあ行くか」

「はいっ」


俺達は2人、家を出た。



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