私の中の子供達
外はチラチラとひっきりなしに、細かい雪が降っていた。



「さむーい」


ピノ子がコートの襟を大げさに立てる。


「近くの居酒屋でもいい?品数が豊富でウマいんだ。」

「喜んで!」


一層早歩きで進む俺達。


目印の白い行灯が暖かげ見える。引き戸を開けて暖簾をくぐると、威勢のいい「いらっしゃいませ」が飛んで来た。


畳の小上がりに案内されると、熱いおしぼりを受け取りながら、ドリンクメニューを眺める俺達。


「何でも好きなのにしなよ」

「はーい」

「つーか、俺飲んでもいい?」


こんな気分のいい日はやっぱり酒が飲みたい!


「アリです。ていうか、じゃー私も飲みます。」


目がイキイキと輝き始めたピノ子だった。


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