私の中の子供達
「はいっ、揚げ湯葉とじゃこのサラダに昆布森産生牡蠣、美唄焼き鳥の盛り合わせになります!」


活きのいい店員が、手際良くテーブルに皿を並べていく。


その料理に目が釘付けになる俺達。



「ヤバいです、これは!食べる前から美味しいもの~」


「ふふふ、君はなかなか見る目があるな。食べよ、ピノ子君!」


「遠慮なく~」



言葉通り、遠慮なしに料理が次々へと口に運ばれていく。


その度に「おいしい」「幸せ」の言葉が漏れ、俺もその度に嬉しくなった。


食べ物の好みは人それぞれ、こればっかりはどうしようもない。


それだけに、味の趣味が合うのは喜ばしい事だ。


何となく盲目的に、女の子はイタリアンやフレンチが好きだと思い込んでいた俺だったが、ピノ子には当てはまらないようだ。


むしろ、こういった和食や中華、アジア料理の方が好みだという。



「だって、アジア人。モンゴロイドですから。」


だそうだ。



< 99 / 134 >

この作品をシェア

pagetop