♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
第一章 初めての彼
「瀬戸内、あのさ…」

「…ん?」

黒髪の彼が、視線を上げる。

教室で自習中と思われる彼の前で、仁王立ちするあたし。



「もうすぐクリスマスイヴじゃん」

「…うん」

「土曜だし、学校休みでやることないじゃん」

「……」

「あんた暇だったら、あたし付き合ってあげてもいいけど」

ほおづえをついたまま、冷たい視線を投げる瀬戸内。



「…お前、もっと普通に誘えないのかよ」

「だって…」

ラブラブオーラがカケラもない突っ込みに口ごもってしまう。

瀬戸内と付き合って、初めてのクリスマスイヴじゃん。

せっかくだし、何か一緒にやりたいんだけど…
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