♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「…気のせいだよ」

小さくつぶやいて、ボールを一つずつカゴに入れる。

ボールを全部入れると、カゴの位置を綺麗に整えた。



「みぃちゃん、目合わせくれないじゃん」

「そんなことないって…」

カゴに両手をそえたまま、視線を上げるあたし。



「みぃちゃん、怒ってる?」

「何を…?」

「あの時のこと」

あたしは大きくまばたきして、健太から目をそらす。



「…それ、片付けとくよ」

まだボールを脇に抱えたまま突っ立っている健太。

あたしはそのボールに視線を向けて、片手を差し出した。
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