♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
どうして、唯香ちゃん…

その話、本当なの?

唯香ちゃんは一瞬、あたしを軽蔑するような表情を見せた。



「マジで…?
いつから?」

「本当だよ。
もうずっと前から、付き合ってるの…

貴斗は、あたしの彼なんだ」

唯香ちゃん、嘘でしょ?

でも、わからない…

あたしは教科書のフチをギュッと握る。

唯香ちゃんは、勝ち誇ったように微笑んだ。



「貴斗は…あたしの彼氏なの」

今度はあたしに向かって、はっきり言った。

動揺を隠しきれずに、視線を落とすあたし。

あたしは、理科室の外へ走り出した。
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