♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「瀬戸内」

廊下を全力で走り抜けるあたし。

「…瀬戸内、待って!」

彼の背中に呼びかけて、立ち止まる。

瀬戸内も、足を止めて振り返った。



「ねぇ、本当なの…?
瀬戸内、唯香ちゃんと付き合ってるの?」

彼と向き合うのは、あの時以来だ。

あたしは息を切らせて、まっすぐ彼を見上げた。



「…牧村、みぃちゃんって呼ばれて嬉しい?」

「そんな…」

瀬戸内の言葉が、胸に突き刺さる。

何も言い返せなくて、あたしはうつむいた。
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