♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「…っ」

柔らかい感触が、あたしの唇に広がる。

やっぱり、まだ緊張する。

瀬戸内と付き合ってるけど、こんなシチュエーションは初めてだ。



いつの間にか、瀬戸内の手があたしの背中に回されている。

あたしは、完全に抱きしめられていた。



彼の唇から解放されて、ゆっくり目を開く。

瀬戸内は、優しい眼差しであたしを見ていた。



「瀬戸内…」

微かにつぶやいたあたしの唇が、もう一度ふさがれる。

好きすぎて、恥ずかしすぎて、どうしたらいいのかわからない。

彼は、無抵抗のあたしをギュッと抱きしめた。
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