♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「牧村、力抜いて…」

彼の唇が、あたしの首筋に落ちてくる。

慣れない感触に緊張が走る。



「…っ」

セーターの隙間に、瀬戸内の指が忍びこむ。

直に肌に触れられたことなんかない。

冷たい指先が、あたしの肌をなぞる。



「ちょ…」

抗議しようとしたあたしの唇は、強引にふさがれてしまった。

もう何も言えない。

瀬戸内に強く抱きしめられて、逃げることもできない。

瀬戸内の指先は、無抵抗のあたしにどんどん侵入してくる。
< 15 / 259 >

この作品をシェア

pagetop