♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
ピリリッと閑静な住宅街に、携帯の着信音が響く。

ハッと顔を上げて、巾着から携帯を取り出すあたし。



携帯のディスプレイに、彼の名前が光る。

健太…

携帯を開いて、健太の名前をじっと見つめる。

彼の名前に、また涙がこみ上げる。



こんなんじゃ、でられない。

健太、きっと心配してる。

あたし、彼女として最低だ。



ギュッと目を閉じると、涙が頬にハラハラこぼれ落ちた。

あたしは、光り続ける携帯を強く握りしめる。



健太、本当にごめん…

どうして涙が止まらないのか、自分でもわからない。

止められない涙に、あたしは両手で顔をおおう。

しゃがみこんで泣くあたしの胸の中で、携帯はずっと鳴り続けていた。
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