♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
久しぶりに実家に帰った気がする。

小学生の頃と変わらないあたしの部屋。

ベッドに身を投げて、ハンガーにかけられた紺の浴衣を見上げる。

あたしの手の側に転がる携帯は、ピンクのライトが点滅していた。

あたしは寝そべったまま、携帯を開く。



着信履歴、二件

健太、もう一度電話してくれたんだ。

ちゃんと、かけなおさなきゃ…

あたしは起き上がる気力もなくて、ぼんやり健太の名前を眺める。

その時、あたしの手の中で携帯が鳴り出した。



「もしもし、健太…」

あたしはピッとボタンを押して、かすれた声で彼を呼んだ。
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