♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
どうしたらいいかわからなくて、うつむくあたし。

健太と二人きりの空間が、静かになる。

健太は何も言わずに、あたしの手を握っていた。



「昨日は…ごめんね」

沈黙を破って、小さくつぶやくあたし。

健太は、少し困ったように首をかしげた。



「いや、いいんだよ」

そう言って、微笑む健太。



健太は、昔からあたしに怒らない。

あたしは、優しい健太を傷つけてる。

健太の笑顔に、あたしはまたうつむいた。
< 211 / 259 >

この作品をシェア

pagetop