♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
公園に入ると、四人乗りの箱型ブランコが目に入った。

子どもの頃は向き合って二人ずつ座れたけど、今は四人も乗れないかもしれない。

あたしはギィっと音を立てて、ブランコに乗り込む。



昔、健太と一緒に乗ってたっけ…

思いっきり強くこいで、健太を怖がらせたあたし。

思い出してみると、健太にヒドイことばかりしてきた。



こんなあたしの、どこがよかったんだろ。

男の子みたいに気が強くて、可愛いげなんて一つもない。

それなのに、健太はあたしを好きだと言ってくれる。

振り返れば、健太はいつもあたしに優しかった。

懐かしいブランコに座って、あたしは力なくうつむいた。
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