♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「…あんた、何やってんの?」

コートのポケットに両手を突っ込んだまま、あたしを見上げる瀬戸内。

彼の黒髪に、白い雪が舞い降りる。

こんな寒い夜に、何やってんの?

そんなとこいたら、風邪ひきそうじゃん。

あたしの心配をよそに、ポケットから片手を出す瀬戸内。

瀬戸内は、しーっと唇の前に人差し指を立ててみせた。



静かにしろってこと…?

よくわかんなくて、首をかしげるあたし。

瀬戸内はその手を上げて、あたしを手招きした。



あたしはふと時計を見上げる。

門限まで、あと十分しかないじゃん。



でも…

あたしはコートをつまみ上げて、部屋着のまま飛び出した。
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