♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「彼氏と彼女だったら、そういうの普通でしょ?」

ブランコの手すりをギュッと握るあたし。

「あたしが、わかってなかったんだよ」

窮屈なブランコの中で、健太の足はすぐ目の前にある。

あたしはうつむいたまま、そう言った。



「俺が、ちゃんとみぃちゃんの気持ち考えてなかったから…」

「違う、健太じゃない…
あたしが悪いんだよ」

あたしの目から、涙がこぼれ落ちる。

あたしは大きくまばたきして、もう一度口を開いた。



「…あたし、健太の彼女にはなれない」
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