♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
全速力で階段を駆け降りる。

コートをはおって、外に出るあたし。

瀬戸内は、走ってくるあたしほうへ振り返った。



「あんた、どうしたの?」

走ったせいで、微妙に息が上がってる。

「牧村、泣いてんじゃないかと思って」

「…んなわけないじゃん!」

うっかり大きな声を出してしまった。

また人差し指でしーっと合図して、グラウンドを指差す瀬戸内。



ここじゃ、寮から丸見えだ。

彼にうなずいて、一緒に歩き出した。
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