♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
その感触が恥ずかしくて、あたしはうつむく。



瀬戸内は、両手であたしの頬を包み込む。

タオルごしに、温かい感触が伝わる。

あたしはどうしたらいいかわからなくて、瀬戸内を見上げる。



瀬戸内は無言であたしを見下ろすと、濡れたままの長い髪をタオルに取った。

彼の手から離れた髪が、あたしの肩に落ちる。

あたしがわずかに視線をそらすと、今度は首にタオルを当てた。



「…自分でやるよ」

あたしの首筋を下りていく瀬戸内の手を押さえる。

瀬戸内は、タオルを握ろうとしたあたしの手をつかんだ。



「いいから…」

瀬戸内はそう言って、あたしの唇をふさいだ。
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