♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「どうした?」

いつもみたいにポーカーフェイスで立ち止まる瀬戸内。

あたしは彼に見つめられただけで、真っ赤になりそうだ。



「…なんでもない」

精一杯強がって、そっけなく答えるあたし。

瀬戸内はクスッと笑って、あたしに片手を差し出した。



「おい、美月」

「…美月って」

初めて聞く呼び方に、なぜか戸惑うあたし。

あたしは、遠慮がちに差し出された手を取った。
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