♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「勝手に、下の名前で呼ばないでよね」

瀬戸内と少し距離が近くなったようで、あんまり変わってないかも…

不機嫌そうなあたしの手を、瀬戸内はグッと握った。



「可愛げねぇやつ…」

「しょうがないでしょ。
あんたが、初めてなんだから」

ブチ切れて言ったあたしを、嬉しそうに見下ろす瀬戸内。



「今、何て言った?」

「…何も言ってない」

笑いをこらえる瀬戸内に、顔を背けるあたし。

瀬戸内を置いて歩き出そうとした時、突然後ろからギュッと抱きしめられた。
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