♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
あたしのヒザの上に、ポンと小さな包みが置かれる。

可愛いリボンでラッピングされた白い袋を両手で持ち上げた。



「クリスマスプレゼント…」

そっけなくつぶやく瀬戸内。

意外な行動に、キョトンと彼を見上げてしまった。



「開けていい…?」

遠慮がちに聞いたあたしに、うなずく瀬戸内。

あたしは、赤いリボンを引っ張って袋を開ける。

ふわふわした物体を、そっと取り出した。



瀬戸内には似合わない、可愛すぎるぬいぐるみ。

思わず、たれている長い耳をつまみ上げた。



「何これ、ウサギ…?」

「…犬だろ」

持ち上げてマジマジ見ると、確かに犬かもしれない。

たれ耳で、くりっとした目の可愛い顔だ。

「…やっぱ、犬かも」

隣の瀬戸内は、不機嫌そうに空を見ている。
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