♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
授業が終わると、まっすぐ寮へ向かう。

例の物は、コートのポケットに忍ばせてある。

ポケットに片手を突っ込んで、ちゃんと入っているのを確認する。

あたしは、誰もいない寮の前で立ち止まった。



瀬戸内は、まだ来ない。

なんか落ち着かないし、彼の姿を探して辺りを見回すあたし。

校門の前に、一人で立ってる女の子が視界に入った。



うちの学校の制服じゃないし。

誰だろ…
転校生か?

心細そうにキョロキョロしている彼女が気になって、校門へ歩いてくあたし。



「あの…大丈夫?」

か弱そうな彼女がビックリしないように、遠慮がちに声をかける。

「あっ…」

ふんわりした柔らかそうな長い髪に、くりっとした大きな目。

女でも守ってあげたくなるようなキャシャな彼女が振り返った。
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