♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「貴斗って、チョコ苦手でしょ?
だから、クッキー焼いてきたの」

彼女の目には、瀬戸内しか映らないらしい。

あたしの存在は忘れて、瀬戸内と二人だけの世界に入っちゃってる。



「…ありがと」

瀬戸内は、あっさりその袋を受け取った。

あたし、決定的な瞬間を目撃してしまった。



「貴斗、今日あいてる?一緒にどっか行かない?」

笑顔で瀬戸内を見上げる彼女。

あたしは、ショックで何も言えずに立ちつくしていた。
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