♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「おじゃまします」

「まぁ、適当に座って」

「うん…」

瀬戸内の家に行くのは、もちろん初めてだ。

なぜかバッグを抱えたまま、正座するあたし。



「…寒いの?」

コートを着たまま、地蔵みたいに固まってるあたしを見下ろす瀬戸内。

「大丈夫」

あたしは慌ててコートのボタンを外す。

それでも、瀬戸内は立ち上がってエアコンのリモコンに手を伸ばした。



瀬戸内がリモコンをいじってる間に、さりげなく部屋を見回す。

モノトーンな感じのさっぱりした部屋だ。

学習机とベッドと本棚…

余計な物は置いてなくて、きちんと整理されてる。



意外と真面目に勉強してるタイプなのか…

あたしの部屋より片付いてるかも。



ピッとエアコンが反応すると、瀬戸内はリモコンを持ったまま振り返った。



「どうも…」

キョロキョロしてたのがバレないように、さりげなく瀬戸内に視線を戻す。
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